製缶板金におけるダクト製作の基礎とその重要性

空調や換気、排煙など、我々の生活に欠かせないこれらのシステムは、ダクトという特殊な製缶板金製品を通じて機能を発揮します。それらは建築物だけでなく、各種工作機械にも広く利用されており、それぞれの特性と使い方を理解することが、その性能を最大限に引き出すためには欠かせません。

ダクトの役割と設計に必要な要素

ダクトは製缶板金製品の代表格であり、その中を流れる空気が滞留すると風量が減少したり、適切な温度管理ができなくなるなどの問題が発生します。一方で、空気が流れすぎると、必要以上に空気を流すことになり、エネルギーの無駄につながります。そのため、ダクトの設計には、断面積、風量、気体の性質を適切に考慮する必要があります。

一般的なダクト製品とその材料

ダクト製品には、SPHC(熱間圧延軟鋼板)、亜鉛メッキ鉄板、ステンレス鋼板などが主に使用されます。これらの材料は、取り扱う気体の性質、製作コスト、加工性などを考慮して選ばれます。

ダクトの形状とその役割

ダクトにはさまざまな形状があり、それぞれ異なる役割を果たします。以下に、その主な形状と役割を紹介します。

1.直管

まっすぐに伸びているダクトを直管と呼びます。定尺の鉄板から直接製作されたものは定尺ダクトと呼ばれます。

2.エルボ

曲がったダクトはエルボと呼ばれます。角度は自由に設定できますが、カーブや変形を加えると抵抗が増えるため、適切な圧力管理が必要となります。

3.ホッパー・レデューサー

入口と出口の大きさが異なるダクトは、角型の場合はホッパー、円形の場合はレデューサーと呼ばれます。これらは、適切な寸法設定がなされていないと騒音の発生原因となります。

4.分岐管

二股や三股に分岐しているダクトを分岐管と呼びます。これは、空気を適切な場所に導くために用いられます。

5.閉止板・閉止カラー

ダクトの末端を閉鎖するための部品で、適切な強度を保つためにリブ補強やアングル補強が施されることがあります。