ステンレス 板金加工を徹底解説!当社の技術・製品事例もご紹介!

工場

板金加工は、多くの工業製品や日用品、電機機器、建物、自動車などの製造に不可欠な技術です。この技術は、特定の形状やサイズの金属部品を作成するために使用されます。しかし、このプロセスの背後には、多くの専門的知識と技術が必要です。

1. 板金の種類と特性

板金加工に用いられる材料は、鉄鋼材(SPCC、SECC、SPHC)、ステンレス鋼(SUS304、SUS430)、アルミニウム合金(A5052、A6061)など、多岐にわたります。SPCC(冷間圧延鋼板)は、加工性と経済性に優れる一方、耐食性に劣るため、塗装などの表面処理が必要となります。SECC(電気亜鉛めっき鋼板)は、SPCCに亜鉛めっきを施した材料で、耐食性に優れ、家電製品や自動車部品などに広く用いられています。SPHC(熱間圧延鋼板)は、SPCCに比べて強度が高い反面、加工性がやや劣ります。ステンレス鋼は、耐食性、耐熱性、強度に優れ、厨房設備や医療機器などに用いられます。アルミニウム合金は、軽量で耐食性に優れ、航空機や自動車部品などに用いられます。

2. 溶接技術

板金加工における溶接は、部品同士を接合する重要な工程です。TIG溶接(タングステン不活性ガス溶接)は、タングステン電極と母材の間にアークを発生させ、溶加材を添加して溶接する方法です。アルゴンなどの不活性ガスで溶接部をシールドすることで、酸化や窒化を防ぎ、高品質な溶接を実現します。レーザ溶接は、集光されたレーザビームを照射して母材を溶融し、接合する方法です。熱影響部が小さく、歪みが少ないため、薄板の溶接や精密な溶接に適しています。近年では、ロボットによる自動化も進み、高精度・高効率な溶接が可能となっています。

3. 曲げと成型

板金加工における曲げ加工は、プレスブレーキを用いて行われます。プレスブレーキは、上型(パンチ)と下型(ダイ)で材料を挟み込み、圧力を加えることで所望の角度に曲げる工作機械です。曲げ加工の精度は、金型の精度、材料の特性、加工条件などに大きく影響されます。V曲げ、R曲げ、ヘミング曲げなど、様々な曲げ加工に対応するため、多様な形状の金型が使用されます。近年では、CNC制御による高精度な曲げ加工や、自動金型交換システムによる効率化も進んでいます。

 

4. バリ取り

切断やパンチングなどの加工後には、材料の端部にバリと呼ばれる突起物が発生します。バリは、製品の外観や機能を損なうだけでなく、怪我の原因となる場合もあるため、バリ取り工程で除去する必要があります。バリ取りには、ハンドグラインダー、バリ取り機、研磨機など、様々な工具が使用されます。バリ取り工程は、手作業で行われる場合が多く、熟練技能者の経験と技術が求められます。

5. 展開とネスティング

板金加工の設計には、3次元CADが広く用いられています。3次元CADで設計した製品形状は、板金加工に適した2次元図面に展開する必要があります。展開図面には、曲げ線や寸法などが正確に記載され、加工の指示書として使用されます。ネスティングは、展開された部品を材料板に効率的に配置する工程です。ネスティングソフトを用いることで、材料の歩留まりを向上させ、コスト削減に貢献します。