板金加工は、多くの工業製品や日用品、電機機器、建物、自動車などの製造に不可欠な技術です。この技術は、特定の形状やサイズの金属部品を作成するために使用されます。多くの専門的知識と技術が必要になります。
1. 板金加工とは
板金加工とは、薄い金属板を使用しており、金属素材の板材に力を加えたり、切ったり、曲げたりして加工し、目的の形状に仕上げる加工のことです。板金加工は自動車産業から家電製品、建築、航空宇宙産業など多くの産業で利用されており、さまざまな製品や部品が作られています。精密な加工技術や設計知識、機械操作のスキルが求められるため、専門的な技術と経験が必要とされます。
2. ステンレスの板金加工をご紹介
ステンレスを板金加工するには、下記のように加工します。
1,ステンレスを切断する工程
ステンレスは熱伝導率が悪いので、切断の際に工具に熱がこもらならないように工夫する必要があります。
2,ステンレスを曲げる工程
曲げ加工ではプレス機械を使用した加工が一般的です。
3,ステンレスに穴をあける工程
ステンレスのプレートにドリルを使用して穴を空けるのが一般的な工程です。
4,鏡面加工
鏡面加工は見た目の美しさを高めるだけでなく、ヘアーライン加工などの表面処理をしやすくします。
3. ステンレス板の種類と板厚のご紹介
板金加工で使われるステンレス板の種類と主な板厚は下記になります。
●SUS304 2B
主な板厚: 0.3/0.4/0.5/0.6/0.8/1.0/1.2/1.5/2.0/2.5/3.0/4.0/5.0/6.0 (mm)
板金加工の材料としてよく使われる種類です。SUS304はJISにおけるステンレス鋼の種類の一つであり、クロムとニッケルを主成分としています。2Bはステンレス鋼の表面仕上げの一つで液体を鋳型に流し込んで固め、冷ましてから延ばす冷間圧延加工でできあがります。光沢のある仕上がりとなり、そのまま加工せずに使うこともできます。
●SUSU304 HL
主な板厚:0.5/0.6/0.8/1.0/1.2/1.5/2.0 (mm)
SUS304の表面仕上げの1つでヘアライン仕上げともいわれます。 2Bの素材に研磨ベルトで一定方向に連続した研磨目を持たせた仕上げの板です。建材の中でも最も一般的に使われています。光沢をなくし、ツヤ消しを行っておりますので、見た目を優先する場合は、SUS304 HLのステンレス板をおすすめ致します。
●SUS304 #400
主な板厚:0.8/1.0/1.2/1.5/2.0 (mm)
「SUS304 #400」は、P400番バフによって研磨仕上げしたステンレス板で研磨目が比較的細いため、渋い光沢を持ち、鏡面に近い光沢と若干のすじが見られるのが特徴です。仕上げは耐食性と外観美の両方を兼ね備えており、美しく見栄えがよいため、食品加工機器、装飾品、建材や医療用ワゴンなど広く使われています。
●SUS430
主な板厚:0.3/0.5/0.8/1.0/1.2/1.5/2.0/2.5/3.0 (mm)
フェライト系ステンレスに分類される鋼種で、フェライト相を形成していることが特徴です。安価で耐食性が強く加工もしやすい種類です。基本的に軟質状態で使用され用途は様々で、建築内装用や家庭用器具、厨房器具などです。SUS430は18%はクロム(Cr)、残りが鉄(Fe)で構成されているため、一般的に18クロムステンレスと呼ばれています。
●SUS340縞板
主な板厚:2.5/3.0/3.5/4.5/6.0 (mm)
圧延によって表面に連続した滑り止め用の突起をつけた仕上げが施され、耐食性・耐熱性・耐低温性に優れており、塗料も不要です。メンテナンス性や安全性はステンレス板の中でも高いものとなっています。屋外スロープの床板や階段のステップなどの滑り止めが必要な環境に使われます。
4. 当社のステンレス板金加工事例をご紹介
ステンレス製 ロールカバー
このステンレス製のロールカバーは、特に独特な楕円形のロールに対応するために設計されています。通常のローラーでの曲げ加工では対応できないこの形状に対して、ブレーキ曲げを用いて小刻みに角度を調整しながら製作しています。この精密な角度調整により、楕円形のロールにぴったりと合う形状になっています。
ステンレス カバー
このステンレス製のモーターカバーは、両面テープや保護用ビニールテープの製造ラインで使用するために設計されています。ステンレス板を、曲げ加工によって形状が作られています。このカバーはモーターを全面的に覆い、内部の保護を確保します。
5. ステンレスの板金加工は当社にお任せください!
今回はステンレス板金加工のご紹介させていただきました。様々な用途でステンレスの板金加工は必要になる技術です。板金部品・製缶品受託センターでは、材料調達から加工まで、一般鋼材からステンレスまで幅広く一貫対応のご提案をしております。ワンストップで対応が可能な板金部品・製缶品受託センターまでぜひお問い合わせくださいませ!