板金加工の曲げ 種類を徹底解説!当社の曲げ加工事例もご紹介いたします!

板金加工とは

板金加工は、金属の薄い板材を中心に、切断、曲げ、溶接、表面加工などの技術を駆使して、目的の形状や機能を持った部品や製品を作り出す加工技術のことを指します。この加工技術は、日常生活で使用される冷蔵庫や洗濯機、事務機器、エレベーターなど多岐にわたる製品の製造に欠かせないものとなっています。

板金加工の方法は大きく分けて、手作業による手板金と、機械を使用した機械板金の二つに分類されます。特に工業製品の製造においては、機械板金が主流となっており、精密な成形や大量生産が可能となっています。

この加工の大きな魅力として、元々の薄い板材を使って、強度を向上させたり、軽量化を実現したりすることが挙げられます。また、複雑な形状の制作やコストの削減も可能となります。

金属材料の変形には、弾性変形と塑性変形の二つの段階があります。弾性変形は、荷重を加えると金属が変形し、荷重を取り除くと元の形状に戻る現象を指します。一方、塑性変形は、一定の荷重を超えると金属が元の形状に戻らなくなる変形を指し、この塑性変形の領域で適切に加工を行うことで、目的の形状を得ることができます。

板金の曲げ加工とは

曲げ加工は、金属の板材や管材を特定の形状や角度に変形させる技術のことを指します。この加工方法は、アルミ、ステンレス、スチール板などの多様な素材に対して適用され、私たちの日常生活の中で数多くの製品や部品の製造に使用されています。

この加工技術は、専用の機械を使用して行われます。板材の曲げ加工には「プレスプレーキ」や「ブレーキ」と呼ばれる機械が使われ、特定の曲線形状を持つ製品の製造には「ロールベンダー」、管材の加工には「パイプベンダー」という機械が使用されます。

曲げ加工の基本的な原理は、金属板を一定の角度で直線的に曲げることです。このために、V溝が加工された金型(下型)を機械のフレーム下部に固定し、上下動するオス金型(上型)を押し込むことで、板材が金型に合わせて形成されます。この際、曲げる力の大きさ、すなわち「曲げモーメント」は、押す力(荷重)と距離の積として計算されます。

曲げ加工の際には、適切な距離や角度を維持することが重要です。距離が不適切であると、製品がV溝に落ちたり、不要な反りが生じたりする可能性があります。一般的に、V曲げ加工では、ダイの肩幅は板厚の8倍を基準として設定されることが多いです。

曲げ加工は、見た目は単純な技術のように思えますが、実際には高度な技術と経験が求められる加工方法です。金属が割れたり、曲げ角度にズレが生じたりするリスクがあるため、技術者の熟練と知識が不可欠です。この曲げ加工技術の背後には、多くの職人の技と知識が活かされており、私たちの生活を支える多くの製品の製造に貢献しています。

板金の曲げ加工の種類

曲げ加工は、金属素材を特定の形状や角度に変形させる技術で、主に3つの方法が存在します:型曲げ、フランジ成形、送り曲げ。

  • 型曲げ:

    • 定義: 金属素材を型に固定し、加圧して曲げる方法。

    • 種類: 突き曲げ、迎え巻き曲げなど。

    • 適用: V字、L字、U字、Z字などの単純な断面形状の曲げ。

    • V曲げ: 最も基本的で多用される方法。0.3mmの極薄板から30mmの厚板まで対応。エアベンディング、ボトミング、コイニングの3種類が存在。

    • L曲げ: パッドで材料を押さえ、もう一端をパンチでL字型に折り曲げる方法。特に大板の加工に適している。

  • フランジ成形:

    • 定義: L曲げ加工の発展形で、複雑な湾曲を作る製品に使用。

    • 種類: 内側に湾曲する伸びフランジ成形と、外側に湾曲する縮みフランジ成形。

    • 特徴: 圧縮や引張のひずみのコントロールが難しく、シワや割れが発生しやすい。

  • 送り曲げ:

    • 定義: 素材を固定せずにラインの中で順次曲げ加工を行う方法。

    • 種類: 3本のロールでのロール曲げ、複数のロールでのロール成形。

    • 特徴: 連続して曲げ加工が可能で、複雑な断面形状の加工も実現できる。

 

金型について: 金型は、曲げ加工の精度や効率を向上させるための重要なツールです。適切な金型の選択は、取り付けや取り外しの容易さ、耐摩耗性、寸法精度、互換性などの条件を考慮して行われます。金型は大きくパンチとダイに分類され、それぞれの種類や特徴に応じて適切な加工方法が選ばれます。

曲げ加工における製品事例 飲食店 デザイン柵

船舶製造装置部品 SS400

こちらの事例は、うなぎ屋さんの建築工事になります。和と遊び心を混ぜ合わせた雰囲気を出すようご要望をいただきました。

そこで、弊社の協力会社の工務店と一緒にデザイン、設計を実施いたしました。

ご要望いただいた内容に合うように、鉄と木を組み合わせた外壁と階段の柵は、遊び心でウナギの形で丸棒をオリジナルに曲げて作成いたしました。

 

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輸送機用部品〜鉄板の曲げ丸パイプに添えて〜

この製品事例では、輸送機用部品として開発された鉄板の曲げ丸パイプを使用した部品を紹介します。この部品は、溶断後にプレスで曲げを実施することで、高品質かつ迅速に生産されています。

鉄板の曲げ丸パイプの特徴は、大量生産に適した型を製作することで、生産スピードが向上している点です。この型を使用することで、短期間で大量の部品を製作することが可能となり、お客様の納期要求にも柔軟に対応できます。

また、プレスでの曲げ工程により、部品の寸法精度が向上し、組み立て時の隙間やズレが最小限に抑えられます。これにより、輸送機の性能や安定性が向上し、長期的な使用においても安心してお使いいただけます。

さらに、自社での設計・製作により、お客様の要件に合わせたカスタマイズが可能です。例えば、輸送機のサイズや形状、用途に応じて、部品の寸法や形状を変更することができます。これにより、お客様のニーズに対応する柔軟な製品提供が実現されます。

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ステンレス製 ロールカバー

このステンレス製のロールカバーは、特に独特な楕円形のロールに対応するために設計されています。通常のローラーでの曲げ加工では対応できないこの形状に対して、ブレーキ曲げを用いて小刻みに角度を調整しながら製作しています。この精密な角度調整により、楕円形のロールにぴったりと合う形状になっています。

また、この製品は通常のワイヤー溶接ではなく、レーザー溶接機を使用しています。そのため、薄いステンレス板でもひずみが少なく、非常にきれいな仕上がりを得られます。

耐久性と耐磨耗性も高く、特別な仕上げ処理は基本的に不要です。製品の寸法と重量は用途と顧客のニーズに応じて調整可能です。

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