ステンレス 板金の板厚を徹底解説!当社の技術・製品事例もご紹介!

今回は、ステンレスの板金板厚に関して解説させて頂きます。

1. ステンレス板の種類と板厚のご紹介

板金加工で使われるステンレス材質と板厚の種類は下記になります。

●SUS304 2B  

主な板厚: 0.3/0.4/0.5/0.6/0.8/1.0/1.2/1.5/2.0/2.5/3.0/4.0/5.0/6.0 (mm) 

 板金加工の材料としてよく使われる種類です。SUS304はJISにおけるステンレス鋼の種類の一つであり、クロムとニッケルを主成分としています。2Bはステンレス鋼の表面仕上げの一つで液体を鋳型に流し込んで固め、冷ましてから延ばす冷間圧延加工でできあがります。光沢のある仕上がりとなり、そのまま加工せずに使うこともできます。

●SUSU304 HL 

主な板厚:0.5/0.6/0.8/1.0/1.2/1.5/2.0 (mm) 

SUS304の表面仕上げの1つでヘアライン仕上げともいわれます。 2Bの素材に研磨ベルトで一定方向に連続した研磨目を持たせた仕上げの板です。建材の中でも最も一般的に使われています。光沢をなくし、ツヤ消しを行っておりますので、見た目を優先する場合は、SUS304 HLのステンレス板をおすすめ致します。

●SUS304 #400 

 主な板厚:0.8/1.0/1.2/1.5/2.0  (mm) 

「SUS304 #400」は、P400番バフによって研磨仕上げしたステンレス板で研磨目が比較的細いため、渋い光沢を持ち、鏡面に近い光沢と若干のすじが見られるのが特徴です。仕上げは耐食性と外観美の両方を兼ね備えており、美しく見栄えがよいため、食品加工機器、装飾品、建材や医療用ワゴンなど広く使われています。

●SUS430

 主な板厚:0.3/0.5/0.8/1.0/1.2/1.5/2.0/2.5/3.0 (mm) 

フェライト系ステンレスに分類される鋼種で、フェライト相を形成していることが特徴です。安価で耐食性が強く加工もしやすい種類です。基本的に軟質状態で使用され用途は様々で、建築内装用や家庭用器具、厨房器具などです。SUS430は18%はクロム(Cr)、残りが鉄(Fe)で構成されているため、一般的に18クロムステンレスと呼ばれています。

●SUS340縞板

主な板厚:2.5/3.0/3.5/4.5/6.0  (mm) 

 

圧延によって表面に連続した滑り止め用の突起をつけた仕上げが施され、耐食性・耐熱性・耐低温性に優れており、塗料も不要です。メンテナンス性や安全性はステンレス板の中でも高いものとなっています。屋外スロープの床板や階段のステップなどの滑り止めが必要な環境に使われます。

2. ステンレス 板厚の種類に関して

厚さによって加工ポイントが異なります。また、合わせてそれぞれの用途に関してご説明いたします。

●薄板(0.3mm以下)

手袋や適切な保護具を使用して、指紋や傷を防ぐために取り扱います。

切削や穴あけ時には、適切な切削工具や穴あけ工具を使用します。薄い材料ではベリング(反り)や歪みのリスクがありますので、注意が必要です。

・曲げや折り曲げ時には、適切な曲げ工具や折り曲げ機を使用し、均一かつ正確な曲げを実現します。

・ワイヤー電極溶接やTIG溶接など、細かい溶接作業を行う場合には、素早く適切な冷却を行い、歪みを最小限に抑えます。

※用途は、食品加工機器や医療機器の外装や細部のカバーなどがございます。

 

 ●中肉板(0.3mm~4mm)

・切削や穴あけの際には、適切な切削速度や切削手法を使用して加工品質を向上させます。

・曲げやプレス加工時には、適切な曲げ半径やプレス圧を適用し、歪みやひずみを最小限に抑えます。

・溶接時には、適切な溶接パラメータと適切な溶接手法を選択し、歪みや酸化皮膜の発生を最小限に抑えます。

※用途は、自動車の装飾パーツや外装の一部、排気システムのカバーやシールド、インテリアデザインの装飾的なパネルなどがございます。

 

●厚板(3mm以上)

 ・高性能の切削工具と十分な切削速度を使用して切削します。また、適切なクーラントを使用して過熱を防ぎます。

・大型のプレスや折り曲げ機を使用して、厚板の曲げや形成を行います。適切な曲げ工具の選択と曲げ力の均一な分散が重要です。

・溶接時には、高出力及び適切な溶接パラメータを使用し、適切な熱処理や後処理を行うことで、剛性と品質を確保します。

※用途は、重機や船舶の部品や構造物、エネルギー産業での管などの設備などがございます。

 

 

3.曲げ加工におけるステンレスとアルミの比較

ステンレスとアルミの曲げ加工をする上で、「強度」「表面処理」「加工性」の3つに分けて比較いたします。

強度:アルミは柔らかく変形しやすいが、ステンレスはより硬くて耐久性があります。ステンレスは建築に、アルミはその軽量性から航空や交通機関に使用されます。

表面処理:ステンレスは自然な輝きがあり、通常表面処理は必要ありませんが、アルミは見た目や耐久性のために処理が必要です。

加工性:アルミは柔らかく加工しやすいですが、熱伝導性と酸化皮膜のために溶接が難しいです。ステンレスは硬いため加工しにくいが、溶接はしやすいです。

4. 当社のステンレス板金加工事例をご紹介

ステンレス製 ロールカバー

このステンレス製のロールカバーは、特に独特な楕円形のロールに対応するために設計されています。通常のローラーでの曲げ加工では対応できないこの形状に対して、ブレーキ曲げを用いて小刻みに角度を調整しながら製作しています。この精密な角度調整により、楕円形のロールにぴったりと合う形状になっています。

ステンレス カバー

このステンレス製のモーターカバーは、両面テープや保護用ビニールテープの製造ラインで使用するために設計されています。ステンレス板を、曲げ加工によって形状が作られています。このカバーはモーターを全面的に覆い、内部の保護を確保します。

5. ステンレスの板金は当社にお任せください!

今回はステンレス板金板厚のご紹介させていただきました。様々な用途でステンレスの板金加工は必要になる技術です。板金部品・製缶品受託センターでは、材料調達から加工まで、一般鋼材からステンレスまで幅広く一貫対応のご提案をしております。ワンストップで対応が可能な板金部品・製缶品受託センターまでぜひお問い合わせくださいませ!