ステンレスの溶接加工の種類と当社事例を詳しく解説いたします!

ステンレスの使用が増え続けている現代において、その加工技術の重要性は日々高まっています。特に溶接加工は、製品の品質に直結するため、高度な技術と経験が不可欠です。このコラムでは、ステンレスの特性を踏まえた上で、溶接加工の種類と、それぞれの注意点について、当社の事例を交えて詳しく解説していきます。

1. ステンレスの特徴を紹介

ステンレス鋼は、その優れた耐食性から多くの産業で広く利用されています。特に、食品、医療、半導体製造装置などの分野では、清潔性や耐化学性が求められるため、ステンレスが選ばれることが多いです。また、ステンレスは美しい光沢を維持することができ、デザイン性に優れた材料としても価値があります。しかし、その加工性には特有の困難が伴います。特に溶接では、加工硬化や熱変形に注意が必要です。

2. ステンレスにおける溶接加工の種類をご紹介

ステンレスの溶接方法にはいくつかの種類があり、用途や必要な溶接品質によって適切な方法を選択する必要があります。
①被覆アーク溶接
手作業による細かい部分の溶接に適しており、特に修復作業や小規模な製造に有効です。 ②ティグ溶接 美しい仕上がりが求められる場合や、精密な溶接が必要な場合に選ばれます。
③サブマージアーク溶接 厚みのある材料を効率よく溶接するために用いられる方法です。
④レーザー溶接 高い精度と速度が求められる溶接に適しており、薄い材料の加工に最適です。
⑤抵抗溶接 接触点のみを効率的に溶接するため、自動車業界などで広く用いられています。

3. ステンレスを溶接する際の注意点をご紹介

ステンレスの溶接には、以下のような注意点があります。

①ステンレスの種類に応じた溶接方法の選択
マルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系の各ステンレスには適した溶接方法が異なります。

②温度管理
ステンレスは熱に敏感な材料であり、不適切な温度管理は熱割れや変形の原因となります。

③傷の防止
溶接中に表面を傷つけないように注意が必要です。特に、最終製品としての見た目も重要な場合、この点は非常に重要です。

4.ステンレスの溶接加工事例をご紹介!

ステンレス製置台

化学・プラント業界向けに特別に設計された「鉄アングル」は、鋳物で成形された製品を熱処理する前に使用する台として機能します。この製品は、比較的軽量で温度も高くない製品を想定しており、そのためコストを抑えた製作が可能でした。また、溶接方法には、機械を持たない業者が多いTIG溶接ではなく、半自動溶接を採用しました。これにより、対象物の間にステンレスを挟んで溶接することで製品の強度が向上しました。

通常は鉄6-50を使用するところを、ステンレス5-50で代替することで、さらなるコスト削減を実現しています。設計プロセスにおいては、図面がなかったため、現地調査に基づいて当社でポンチ絵を作成し、それを基に製作に着手しました。

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ステンレス オイルパン

こちらの事例は、自動車業界で使用されるオイルパンの事例になります。オイルパン製作にあたっての背景として、もともと使用されていたものが老朽化により使用ができなくなり早急に交換してほしいといったことでした。そこで、当社は現物を確認し早急に対応いいたしました。現地調査にて、高所にある機械に使用するオイルパンと確認ができたため、高所に固定できるよう、穴開けを実施しソケットを取り付けました。

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溶接タンク

産業用タンクは、材料支給の形で加工業者に製作を依頼し、高品質な製品が提供されています。このタンクは、油漏れの防止に重点を置いて設計されており、安全性と耐久性が求められる産業用途に適しています。使用される材料はSS400で、強度と耐久性に優れた性能を発揮します。また、工程はレーザー加工と同様で、精密な加工が可能であるため、タンクの品質が一層向上しています。この産業用タンクは、信頼性と効率性を兼ね備えた優れた製品です。

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