【ステンレス 溶接】ステンレスに適切な溶接方法をご紹介いたします!

1. ステンレスとは

ステンレス鋼、またはステンレスは、その名が示す通り、錆びにくい特性を持つ鋼の一種です。この特性は主に、鉄とクロムから成る合金の特性に由来します。クロムは合金に10.5%以上含まれることで、空気中の酸素と反応し、金属の表面に透明なクロム酸化物膜を形成します。この膜は非常に薄いにも関わらず、非常に強固であり、金属本体をさらなる酸化から守る防錆層として機能します。ステンレス鋼はその耐食性の高さから、厨房用品、医療機器、建築材料、海洋設備など、錆が問題となる多くのアプリケーションで用いられています。

ステンレス鋼はさまざまなタイプがあり、それぞれに独自の特性があります。オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系といったカテゴリーが存在し、これらはクロムのほかにニッケルやモリブデンを含むことでその性質が変わります。これらの違いは溶接時のアプローチにも影響を与え、特定の種類のステンレスには特定の溶接技術が必要となります。

2. ステンレスの溶接とは

ステンレスの溶接は、ステンレス鋼の切断された部分や異なるピースを熱や圧力を用いて結合させるプロセスです。このプロセスは、高温で金属を溶かし合わせることにより行われますが、ステンレス鋼の化学的特性と物理的特性により、特有の挑戦が伴います。溶接時には、溶接部の酸化を防ぐために特定のガスを用いた環境が必要であり、また、加熱と冷却の管理が極めて重要です。不適切な溶接方法は、溶接部の耐腐食性や強度を著しく低下させる可能性があります。 溶接のプロセス中には、金属の熱膨張と収縮が発生し、これが溶接部や金属全体にストレスを与えます。このストレスが原因で、溶接後に製品に歪みが生じたり、最悪の場合は亀裂が入ったりすることがあります。したがって、ステンレスの溶接は高い技術と正確な温度管理が求められるため、専門の知識と経験が不可欠です。

3. ステンレス溶接の特徴

ステンレス鋼の溶接はその耐腐食性の維持が必須であるため、特有の技術的課題を抱えています。ステンレス鋼は、溶接プロセス中に高温にさらされると、その耐腐食性を提供するクロム酸化層が損傷を受けやすくなります。このため、溶接プロセスではクロムが酸素と反応して不要な酸化物を形成しないよう、特に注意が必要です。また、溶接によって金属内部の結晶構造が変化し、この変化が材料の物理的性質に影響を及ぼすこともあります。

さらに、ステンレス鋼は他の多くの金属よりも熱伝導率が低いため、溶接部に局部的な熱集中が発生しやすく、これが歪みや割れの原因となることがあります。このような問題を防ぐために、適切な溶接方法の選定、溶接パラメータの最適化、そして適切な事後処理が極めて重要です。

4.ステンレス溶接の種類!

 

ステンレス鋼の溶接にはいくつかの異なる技術がありますが、それぞれにユニークな利点と制限があります。

MIG溶接:この方法は迅速かつ効率的であり、大規模な生産に適しています。MIG溶接では、連続的に送り込まれるワイヤが電極として機能し、保護ガスが溶接部を覆います。

TIG溶接:高い品質と精度が求められる場合に選ばれる技術で、主に薄板の溶接に用いられます。TIG溶接では、非消耗性のタングステン電極が使用され、溶加材が別途添加されます。

レーザー溶接:非常に高い精度で緻密な溶接が可能です。レーザー溶接は熱影響域が非常に小さいため、精密部品の製造に最適です。

5.ステンレス溶接の注意点

 

ステンレスの溶接において最も注意すべき点は、溶接前後の材料の化学的および物理的性質の変化を理解し、これを適切に管理することです。具体的には、溶接熱による材料の変性を最小限に抑え、溶接部の冷却を適切に行うことが重要です。また、ステンレス特有の熱処理による硬化や、溶接後の応力除去も重要なプロセスとなります。これらのプロセスを怠ると、溶接部の耐腐食性が低下したり、機械的強度が不十分になることがあります。