【厚板切断】厚板加工に最適な切断方法と成功のポイントを徹底解説

1. 厚板とは?その定義と特徴

 

厚板とは、一般的に板厚9mm~100mm程度の鋼板を指し、さらに板厚100mmを超えるものは極厚板と呼ばれます。建築や造船、産業機械の部品製造など、さまざまな分野で利用される厚板は、耐久性や強度が求められる重要な素材です。

例えば、橋や高層ビルの構造部材、船舶の外板や内部フレームなど、厚板の切断と加工が製品の品質や安全性に直結します。そのため、厚板切断においては、高精度で効率的な加工が非常に重要です。

2. 厚板切断に最適な切断方法

厚板切断には、用途や板厚に応じて最適な切断方法を選ぶ必要があります。ここでは、代表的な切断方法をご紹介します。

2.1 ガス切断

ガス切断は、燃料ガスと酸素の混合により発生する高熱を利用して鋼板を溶断する方法です。板厚28mm~150mmの厚板や極厚板に対応でき、高精度な切断が可能です。特に極厚板では、ガス切断が最も適した方法とされています。
メリット:幅広い板厚に対応可能、比較的低コスト
デメリット:熱影響による歪みが発生しやすい

2.2 プラズマ切断

プラズマ切断は、プラズマアークを利用して鋼板を切断する方法です。14mm~36mm厚の鋼板に対応し、高速切断が可能です。ガス切断よりも入熱が少なく、歪みが抑えられるため、切断精度が高いのが特徴です。
メリット:切断速度が速い、歪みが少ない
デメリット:消耗品コストが高い、小さな穴開けには不向き

2.3 レーザー切断

レーザー切断は、集光したレーザービームを鋼板に照射して切断する方法です。薄板から最大25mm程度の厚板に対応可能で、切断面が非常に美しいため、仕上がり重視の加工に適しています。
メリット:高精度、微細な加工が可能
デメリット:コストが高い、極厚板には不向き

 


3. 厚板切断のポイント

厚板切断を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

3.1 熱による影響を最小化

厚板や極厚板の切断では、入熱による製品の歪みが課題となります。これを防ぐには、水冷加工や切断速度の調整が効果的です。

3.2 倒れ防止の工夫

切断面に倒れ(勾配)が発生しないよう、製品の固定や切断手順の最適化を行うことが求められます。

3.3 切断面の品質向上

ガス圧や火口選定の適切な調整が、滑らかな切断面の実現につながります。特に極厚板では、切断条件を細かく管理する必要があります。

4. 切断方法ごとの比較

 

 

切断方法対応板厚精度コスト特徴
ガス切断28mm~150mm厚板・極厚板に最適
プラズマ切断14mm~36mm高速切断が可能
レーザー切断0.5mm~25mm非常に高薄板・中厚板に最適

6. 厚板切断を依頼する際の注意点

厚板切断を専門業者に依頼する際は、以下の点に注意してください。

  • 設備の確認:対応可能な切断方法と板厚範囲を確認。
  • 技術力のチェック:熟練技術者が在籍しているか。
  • コストと納期:見積り時に納期や加工コストの明確化を依頼